VALORANT:有線無線PING比較!ネット回線は速度が命
VALORANTに限らず、太古の時代よりオンラインゲーマーに言い伝えられている言葉、「オンラインゲームは有線でやれ」。
特にオンライン”対戦”ゲームは有線必須とも言われます。
しかし技術の進歩で有線より応答の速い無線マウスまで現れているこの時代、LANに有線は本当に必須なのでしょうか?
配線が面倒だしできれば無線で済ませたい…。
ということで、実際有線にしないとどのくらいの影響が出るのか調べてみました。
比較する数値
まずは比較する対象の値と、その値の解説です。
VALORANTを快適にプレイする環境作りのための比較なので今回は上り下りの速度は気にせず、以下の3点を比較します。
- PING値
- パケットロス
- ジッター値
上り下りの回線速度については大容量のデータを頻繁に通信するのなら重要ですが、VALORANTをするにあたっては50Mbpsもあれば十分だと思います。
PING値
PINGとは「Packet Internet Groper」の略。
ネットワーク通信における「応答速度」のことを指します。
パソコンから発信された信号がネット回線を通って東京にあるVALORANTのサーバーに届き、その返答が戻ってくるまでの時間がPING値です。
往復する時間の数値ですので、単位はms(ミリ秒)で表します。
※1ms=1/1000秒
使用しているネット回線の質が悪かったり、混雑していたりすると発信から応答までに時間がかかるため、PING値は増加します。
また、発信位置からサーバーまでの物理的な距離も影響します。
例えば東京都内から東京にあるサーバーへのPING値は一桁も簡単に出せますが、九州や北海道から東京のサーバーへはおおよそ20ms~かかり、一桁はほぼ不可能です。
PING値が遅いとどうなる?
PING値が遅いと、ラグの原因になります。
特にコンマ数秒で勝負が決まるFPS系のオンライン対戦ゲームでは少しのラグで負けてしまうこともあるので、VALORANTをやるにおいてPING値は回線環境において最もこだわるべき数値です。
パケットロス
パケットとはPacket(小包)を意味する言葉。
データを細かく分割した小さい塊のことをパケットと呼びます。
複数と同時に通信するのは限界があるため、パケットという小さい単位にデータを小分けして送信することで少人数に通信を占有されずに全員と同時通信が可能になります。
パケットロスとは、ネットワークの混雑、不具合やそれによるルーターの過負荷などの要因によってパケットをドロップする(パケットが消滅する)現象のこと。
パケットロスが多いとどうなる?
入力した射撃や移動の操作や、敵が移動したなどの情報が上手く伝達されない原因になります。
敵にしっかりとエイムを合わせて射撃しても、パケットをドロップしていたせいで動いていないように見えていただけで、実は敵が移動していたので当たっていないというようなことも起こり得ます。
パケットロスした情報はその後のパケットで対応されるので、敵味方や自分がワープする原因になることも。
ジッター値
Jitterとは「いらいら、そわそわ」といった意味の英語で、インターネットの分野で使う場合は通信のブレのことを指します。
例えばPING値が十分に速くても、ジッター値が高いと応答速度が大きくブレているので、「PING値がすごく速い時とすごく遅い時がある」というような状態。
ジッター値が高いとどうなる?
遅い時があるということはその間のパケットは十分な速度で届いていないので、ラグを感じたり敵や自分がワープしたり射撃が当たらないといった現象の原因になり得ます。
平均PING値が速くても、ブレて遅い時があるというのは問題です。
速度比較環境
比較はこのような環境で、ネット回線を使用する人が多い午後10時と少ない午前4時、それぞれ有線無線を10回ずつ計測して平均を算出します。
- 地域は九州北部
- 回線はauひかり
- マンション回線
- 配線方式はVDSL方式
- 無線の規格は11ac
回線速度比較
午前4時~
有線 | 無線 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
PING値 | パケロス | ジッター値 | PING値 | パケロス | ジッター値 | |
1回目 | 22 | 0 | 0 | 26 | 0 | 2 |
2回目 | 22 | 0 | 1 | 25 | 0 | 1 |
3回目 | 23 | 0 | 1 | 27 | 0 | 2 |
4回目 | 22 | 0 | 0 | 26 | 0 | 1 |
5回目 | 23 | 0 | 0 | 25 | 0 | 5 |
6回目 | 22 | 0 | 0 | 26 | 0 | 1 |
7回目 | 22 | 0 | 0 | 26 | 0 | 3 |
8回目 | 22 | 0 | 0 | 25 | 0 | 1 |
9回目 | 22 | 0 | 0 | 27 | 0 | 1 |
10回目 | 22 | 0 | 0 | 30 | 0 | 2 |
平均 | 22.2 | 0 | 0.2 | 26.3 | 0 | 1.9 |
午後10時~
有線 | 無線 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
PING値 | パケロス | ジッター値 | PING値 | パケロス | ジッター値 | |
1回目 | 23 | 0 | 0 | 25 | 0 | 2 |
2回目 | 22 | 0 | 1 | 30 | 0 | 2 |
3回目 | 22 | 0 | 0 | 24 | 0 | 1 |
4回目 | 22 | 0 | 0 | 26 | 0 | 1 |
5回目 | 22 | 0 | 0 | 26 | 0 | 2 |
6回目 | 22 | 0 | 0 | 27 | 0 | 2 |
7回目 | 22 | 0 | 0 | 27 | 0 | 3 |
8回目 | 23 | 0 | 0 | 30 | 0 | 1 |
9回目 | 23 | 0 | 1 | 24 | 0 | 1 |
10回目 | 22 | 0 | 0 | 25 | 0 | 1 |
平均 | 22.3 | 0 | 0.2 | 26.4 | 0 | 1.6 |
比較した結果
時間帯ごとに大きな差異はありませんでしたが、有線と無線を比較するとネット回線を使用している人が多い時間、少ない時間ともに明確にパフォーマンス差が出ました。
パケロスは有線無線ともに0でしたが、有線にするだけで平均PING値は4msほど速くなり、ジッター値も目に見えて良くなります。
ごちゃごちゃするので表には入れてませんが、無線でジッター値が高くPING値が下ブレている時は最大47msまでパフォーマンスが落ちていました。
結論、数百円~数千円のLANケーブルを挿すだけでここまでパフォーマンス差が生まれるのなら有線にしない理由はなさそうです。
有線にするには?
有線環境でプレイするには、基本的にLANケーブルをルーターとパソコンにそれぞれ挿すだけで大丈夫です。
ボトルネックにならないよう、ケーブルはCAT6aのLANケーブルを使用しましょう。
もしルーターを新調するのなら、長く使う可能性の高いものなので近年策定された新規格11axに対応したルーターを選ぶことをおすすめします。
パソコンとルーターが遠い場合は配線カバーを使って壁を這わせると奇麗に配線できます。
回線速度を調べたい / 改善したい
回線速度の調べ方や、回線に不満がある時の改善方法はこちらの記事でまとめています。